皆さまこんにちは
店長の鶴田です。
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いよいよ今年も終わりが近付いてまいりましたね。
皆さまにとって今年は長く感じましたか?
それとも短く感じましたか?
私にとっては短くも永遠に走り続けているような激動の1年間となりました。
いや…思えば老犬ハウスに勤めてからずうっとその様な感じがしております。
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ワンス・アポン・ア・タイム
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今年の最後になんて事のない、昔話をさせてください。
ーそれは遡る事、遥か昔。空にまだ龍が飛んでいた頃ー
…いえ、5年前ですね。
確か、空に龍は飛んでいなかったと記憶しております。
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その当時、私は動物関係のNPO団体を設立して、アニマルセラピーやセミナー、ドッグランの運営などを行っておりました。
今、思えば活動自体はとても楽しかったですし、己のハリボテの才能に酔いしれていたと思います。
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ある時にひょんな事から、「老犬ハウスの人手が足りないので、お手伝いに来て欲しい」と頼まれ、団体メンバーの中で、白羽の矢が私に立った事が全ての始まりでした。
【白羽の矢が立つ】の意味はご存知でしょうか?
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〈多くの人の中から犠牲者として選ばれる〉
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そうです。
ここから今日までの長い地獄が始まったのです。
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【お手伝いの40分】
春から正社員ではなく、お手伝いさんとしてシェリーに勤め始めた私は、早速一つ目の壁にぶち当たる事になったのです。
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〈 犬 の 知 識 が 足 り な い 〉
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・得意な生き物は鳥類。
・犬は今まで飼った事もない。
・好きな食べ物は梅干しおにぎり。
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3行で書き表せる。そんなちっぽけな男です。
それなのにパピーや成犬では無く、老犬のお世話をしなければならないのです。
少しの判断ミスが命に関わります。
しかし、現場は人手不足
否応なしに介助・介護をしなければなりませんでした。
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〈40分〉
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何の時間か分かりますか?
私が最初、1頭の老犬のご飯介助にかかった時間です。
約20g程度のフード量をスプーンで口の横から入れてあげるだけの事ですが、味が気に入らなければ吐き出され、首を振って嫌がり、それでも完食させなければ、命に関わる事なので、(ごめんなさい。ごめんなさい。)と口に詰め込んで40分。
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地 獄
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(1年経ったら辞めよう)
そう思いました。
先輩からは「もう少し早くあげれるようになろうね!」とも言われました。
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ヒェッ!!


↑当時のシェリーは鉄柵がメインでどこか薄暗かったです。




↑それでもみんなかわいいね
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【反省会とお酒】
その当時の私は、家に帰ると湯船に浸かりながら、毎日の反省会をするのが習慣でした。
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勤めて1ヶ月で老犬のお世話から保育園の管理や送迎、シャンプーやオプションの勉強、夜間勤務などを教えられながら実践を行い、1人で数十頭の様子を1日見ている時は、まるで己がスーパーマンにでもなったかのような気分です。
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…因みに、先輩方はもっと凄かったですよ。その時の自分はただの脇役Cな凡人でした。
当時のお客様からは、【シェリーの男性スタッフ】と呼ばれる始末

↑お手伝い当初のシェリーの男性スタッフ
芋虫みたいな顔をしてますね。
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この頃には、ご飯を早くあげる意味もあの時の言葉も痛く沁みるほど、大切な事だと理解が出来ておりました。
それでも毎日、失敗と注意と謝罪の繰り返しで、ただでさえ小さかった身長は、萎縮をして見えなくなるほどです。
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お客様がどれだけワンちゃんを愛して、悩み抜いた末にシェリーへ預けられたか。
その事の重さと足跡の数を辿ってなぞって、理解すればする程、地球の重力は重くなり、立ってはいられなくなります。
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(今日のお世話は時間が掛かりすぎたな)とか
(あそこの接客内容はイマイチだったな)とか
(後、数ヶ月で辞めてこの施設にトドメをさしてやる)とか…
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色々なことを泡ぶくと共に考えては割れて、浸かっては悩み、恨み辛みと自己嫌悪がドス黒く混じり合う。
そんなある日、遂に反省会のし過ぎで、浴室の中で逆上せて倒れてしまいました。
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体を打ちつけ、一人暮らしで助けも呼べず、頭もぼぅっとして、
(嗚呼、人生ってこんなもので…)
と、本当に終わりを覚悟しました。
走馬灯なんてものは流れませんでした。
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20代の男が全裸で浴室に大の字。
あまりにも滑稽。情けなさ過ぎて、頬に一筋何かが伝いました。
きっと、転んだ時に弾けた水飛沫に違いないのです!
それでも、毎日の介護や呼び鳴き・夜鳴きに追われる日々とも、これでお別れが出来るなら良いか。と、限界だったんだと思います。これで終わってもそれなりに楽しい人生だったと…。
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…。
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…這いつくばって浴室から出ていました。
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ここで死ねれば天国だったかもしれない所を地獄に戻る選択をとったのです。”呼び”鳴きには、誰かが応えてあげないといけないのです。あと、めっちゃモテるまでは死んでたまるか。本当に
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また、この頃から夜間に何かが起きても直ぐ動けるよう、お酒も飲まなくなりました。
元から弱かったのでそれは別に良いのですが、辛い事も悲しい事もシラフで受け止めないといけなかったのは、最初はちょっぴりしんどかったなぁ。

↑この頃からパピーパーティーを始めました!


↑色んな子が遊びに来たね。
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【ロケット鉛筆!】
〈シェリーの男性スタッフ〉から〈鶴田さん〉に呼ばれ方が変わる頃。。。
(今もですけど、名前で呼ばれるのはやっぱり嬉しいものです。)
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ロケット鉛筆かの如く、先輩方が1人、また1人と卒業していき私の肩書きも
〈新しいお手伝いさん〉
↓
〈シェリーの男性スタッフ〉
↓
〈鶴田さん〉
↓
〈正社員〉
↓
〈店長代理〉
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と、飛躍に飛躍を重ねて、訳のわからないところまでやってまいりました。
ギャグ漫画よりよっぽどギャグ漫画な展開です。
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今のところ、給餌に40分かかって、名前も認知されず、浴室で大の字に寝転び、禁酒をしただけで老犬ハウスの店長代理までのし上がりました。
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うーん。シンデレラストーリー!
ガラスの靴を叩き割ってやりたくもなります。

↑心なしか少し凛々しくなった表情!そして犬のなんともつまらなさそうな顔!!
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そんな中、シェリーFukuokaに一つの大問題が発生いたしました。
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〈 人 手 不 足 〉
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あれ?あれれ???
元はといえば、人手不足でサポートに入った自分が、今度は人手不足側で悩む事になっていました。
そもそもの話ですが、老犬介護というお仕事は、やっぱり精神的にキツい物なのです。
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どれだけ可愛がっても、お客様と仲良くなったとしても、いずれ最期を看取る時がやってきます。
それは、何十回経験をしても決して慣れる事はありません。
まさか自分が何十頭もこの腕の中で看取る事になるなんて、数年前までは思ってもいませんでした。
中には夜を乗り越えれば、翌朝には飼い主様が会いに来れた子もいました。
それでも、どうしようも出来ずに最期の時を迎えてしまうのです。
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寝ずの頭がチカチカします。
嫌な汗がジワっと溢れて来ます。
絶望とたらればが何度も口から吐き出そうになります。
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「私は、老犬介護施設のスタッフなんです。」
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どんなに悲しくてもキツくても、その子を世界で一番愛していた飼い主様に、最期を迎えた事を言葉にしなければなりません。
ワンちゃんはみんな最期まで生きることを諦めません。生きてる私が挫けてどうする。
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言葉は重たくて重たくて重たくて重たくて…
だとしても、出来るだけ正確に、言葉を選んで、その子が精一杯生き抜いた事を証明します。
やる事を全て終えた後、ふと窓の外を見ると、朝陽が昇り始めていました。
一緒に見ることは叶わなくとも、残酷にも朝陽は美しいと思いました。
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そんな事ばかり起こる職種です。
簡単に続けられるわけがありません。
そりゃそうか!そりゃそうか!ワハハ
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ご飯はやっぱり喉を通りません。

↑当時のフォトブースも今と比べると少し簡素ですね。


↑kawaii
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↑看板犬のちいちゃん。
短い間でしたが、たくさん活躍をしてくれました。いっぱいありがとう!

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【前に進む事、夢】
肩書きが〈店長〉になった頃、5人の新人が入って来ました。
そうです。今のシェリースタッフメンバーです。
その当時の率直な感想を述べさせていただきます。
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ーこの世の終わりー
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えー、本当にこの世の終わりでした。
新人の子達には申し訳ないのですが、新人という事は、サポート時代の鶴田×5という事です。
「教える事しかねぇっ!!」
休日に電話が鳴るのは当然として、夜の3時に叩き起こされるわ、朝の6時に走ってシェリーへ向かう事になり、そのまま日中の業務を勤めるわで、当初はいつゆっくり休んだかもあまり記憶がありませんでした。
今でも寝る時はスマートフォンの音量を最大にして眠りにつきます。
本当に仕方のない事だと頭の中で理解はしても、顔のニキビは増えていくばかりです。
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ですが、今のスタッフは過酷な環境で本当に頑張ってくれていると思います。
少しずつ色んな経験を重ねて、立派に成長をしていっております。自慢の子達です。
成長を感じると自分のことのように嬉しくなります。
ですから、皆さまも若い子たちをたくさん応援してあげてください!
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そんな子たちの為に、店長として教えれる事の出し惜しむなどとケチな事はしたくありません。
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たとえ、新年会で酔っ払った時に「悠ちゃん」と呼ばれても怒りません。
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変なパックをお土産に買ってこられても、ちゃんと付けてあげます。

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夜勤用に買っていた割り箸が勝手に全部使われていても気にしません。
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多少のワガママだって聞いてあげます。
だって、優しくてイケメンで高身長な紳士ですからね。本当に
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実際のところ、悲しい事が多い職場だからこそ、先頭が胸を張って歩く姿を見せ続けて、誇りややり甲斐を積み重ね、少しでも嫌な思いをしないで育っていって欲しいです。
それこそ、私が居なくなってもヘッチャラなくらいには!
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おかげさまでお客様からはよく「やつれた?」と、聞かれます。
えぇ、やつれましたとも!
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ですが、そんな私にも〈夢〉があります!
今回ここまで長くタラタラ書き続けた意味は全てここにあります。
それはそれはとても壮大であの空に届いてしまいそうなくらい大きな夢です!
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なにかというと…
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【叶姉妹と結婚をする事】
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です!

叶姉妹と結婚する事です。
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ここまで頑張って走って来たからこそ、逆玉で上がりを決め込んでやります。
ロケット鉛筆の先端は!今!!私なのです!!!
みんなを大切に育てて育てて、私が居なくても今と変わらない状況を作り、叶姉妹と出会って、人生の上りを決め込みます!!!!がはは
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…何年後かな?
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まぁ、浴室で死ねなかった理由が、この先無様に死ぬ事であったとしても、あの日、一緒に見る事の叶わなかった綺麗な朝陽は、今日もまた昇ってくるわけです。
ここまで、良かった事も苦しかった事も包み隠さず、書かせていただきましたが、1つだけ言える事は、今日までの努力に後悔はありません。何回生まれ変わっても同じ選択をして、同じ場所で転んで、そしてきっとここへ辿り着くと思います。
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たくさんのワンちゃんやお客様、シェリーのスタッフや動物病院やペット霊園の方たち、色んな人に支えられていっぱい付けてきた足跡の数々は、今でも光って1つの道標となっています。
感謝の言葉しかありません。













↑みんな大好き!
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さて、もうすぐ今年が終わりそうです!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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俺たちの戦いはまだまだこれからだ!!

↑今の私。
どうしてこうなった。











